T邸 修景計画

旧中山道の街道沿いに建つ古民家の修景。

代々受け継がれてきた住まいは、その時々で手を入れながら現代に至る。
養蚕部屋となっていた2階部分は現代的なLDKに改修されていた。
基本の骨格や意匠は引き継ぎつつ、より住まう人の歴史が積層する建築へと修景を行った。

街道沿いのファサード
 今回の修景計画では全3期に渡り改修を行った。
1期工事で蔵内部を書庫を兼ねる寝室に改修。
2期工事では蔵の下屋部分に地域交流を行える”オープンスペース”を計画。
3期工事では主屋のリビング、ダイニング、キッチン、洗面脱衣をモダンに。
基本の骨格や意匠は引き継ぎつつ、より住まう人の歴史が積層する建築へと修景を行った。

蔵内部の書庫兼寝室
 本蔵の2階部分に収納棚を新たに設けて1階の収納物を移す。
1階部分は床を一度外して躯体の傷みをチェックし、壁天井は既存板張りの上に断熱材を施工し断熱改修。大量の書物を蔵書できるよう壁面を本棚で仕上げ当初はご主人夫妻の寝室として設計を行ったが、今ではこの空間を気に入ったお孫さん達の寝室として使われている。

暖房はペレットストーブで行う。
子供の安全のため、木製柵を設計した。

蔵の下屋に設けた”オープンスペース”
 主屋から蔵への動線になる回廊を整備。躯体を必要に応じて補修し、既存建具を補修して利用。土間は有明土を締め固め、

蔵に眠っていた大八車を活かして設計したテーブルを配す。蔵書を楽しむカフェのような雰囲気となっている。

蔵の入口
 蔵の入口部分には少し広めの板間を配置。
下屋部分に新たに設けた天窓からの光が、黒光りする骨太な梁組をあらわにする。

蔵下屋に隠された秘密の隠れ家
 代々の手直しで生まれていた蔵の下屋部分の空間を活用。 蔵の入口のハシゴを登り、ルーバーの渡り廊下を渡った先に秘密の隠れ家を配置。書斎としたり、昼寝スペースとしたり多目的の楽しい空間。

3期工事で行った和室の修景
 中庭に隣接して設えられていた和室を修景。基本はそのままに壁、木部を塗り直し、新たに押入を設けた。

モダンなリビング、ダイニング、キッチン
 床壁天井を断熱改修。間仕切り建具を廃止し、LDKをワンフロアに改修した。3世代の大家族が集うダイニングは6人掛けのビックテーブルを設計。既存椅子の座面を張り替えて空間にコーディネートしている。

オリジナルで設計した包丁差しとまな板立て

半独立したキッチン
 既存の田の字型の躯体を弄らないでリビング、ダイニングとは半独立して設けたキッチン。
間取りの制約がある中でかつ、3世代の奥様が使うキッチンのため、収納量や使い心地に配慮して設計したキッチンを設置。

リビング
 既存の窓位置はそのままに断熱サッシに入れ替え。家具で造り付けたL字型ソファで居心地良い雰囲気とする。
この部分は代々改修を続けたため、増設続きで下屋が低く納まっていたが、あえてその部分を活かし天井を低く納めて落ち着きのある空間にしている。

歴史の積層で生まれた豊かな空間

代々受け継がれてきた住まいに手を加えることで、
家族の思いが広がり、世代につながりより豊かな空間になる。

写真撮影・写真著作:写真家 林 安直

片倉隆幸建築研究室
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