西浜の家

 2003年11月30日に御夫婦がアトリエに訪問され、設計が始まりました。調査にお伺いしますと敷地に段差があり北側道路面から2階へアプローチして1階へ下りる民家は和室が6部屋の大きな間取りと和室8畳の離れも時期をおいて増築されていました。また敷地内には、倉、神社、林檎園が続き、水の多い土地であり敷地内の涌き水が小川を設けているという素材豊かな土地でした。

 設計にあたり、離れを残しながら修景をしたらどうかと考えまた1階の湿気対策も十分にしなくてはならず、柱状地盤改良をして、コンクリート打放と木造、鉄骨の混構造により南の敷地へ開かれたプランにより日差し、採光・通風等の自然の恵みをお迎えするような造形を考えていきました。

 また、暖房は全体に温水パネルヒータ使用の輻射暖房なのですが、特に換気に関しては夏の室内環境を考慮して1階の涼しい空気を取り入れ、階段部分を通して3階の外部へ廃熱計画しています。

北側前面道路から玄関部分を眺める
 写真左手、木造の老世代の住まいとRC造の若い世代の住まいを結ぶ位置に共有の玄関を設けています。道路面より眺めると敷地の高低差が消え、2階建てに見えます

RC造の若世代の建築部分外観
 RC打ち放し仕上げのモダンな外観の若世代の住まい。1階、2階部分をRC造の堅牢な構造とし、3階に軽量な木造を載せて3階建てとしています。

一階のガレージとアトリエ部分を眺める
 2階に生活の拠点を設け、高低さのある敷地を活かし、一階にはガレージと多目的に使えるアトリエを用意しました。

多目的に使えるアトリエ
 1階のアトリエは東京を拠点にお仕事をされている御主人の週末アトリエとなっています。専用の出入口、トイレ、ミニキッチンと一通りの設備が揃っているので東京で御活躍中のご主人の子供さん達が帰省した際にはパーティールームとして楽しく使われる多目的なスペースにもなります。
 また、住まい部分からは完全に切り離して配置されたRC造なので周囲に気掛ねすることなくピアノの演奏を楽しむことが出来ます。

リビング
 なんといっても家族室は広く快適であり玄関から続くバルコニーデッキ、温泉付きの風呂に隣接し、北欧デンマークの生活と文化の育んだアンデルセンストーブ「マーグレティー」を設け、幻想的な炎を見せてくれます。また設計したビッグテーブルの上にもデンマーク・ポールへニングセンによるデザインのPHSnowballが用意され西側のコンクリート打放の壁に降り注ぐ光とともに豊かな空間となりました。

キッチン
 料理が趣味でパン教室もされている奥様のためにデザインしたキッチン。パン教室で人数が集っても十分ゆとりのある空間となっています。中央にはパンをそのままこねる事の出来るカリン天板のアイランドカウンターを設置し、その周囲の家具に発酵機やコンベック等パン作りの調理器具や炊飯器、コーヒーメーカー等日常的に使う機器をスッキリと収納しました。またステンレス貼り、メラミン化粧合板とし、お掃除のし易いように仕上げとしています。

リビングよりキッチンを眺める
 和室からリビングを経てキッチンまで連続した空間となっています。パン教室時には普段は収納された天井まである建具でスッキリと間仕切ることが出来ます。

離れの和室
 おじいちゃんの思い入れのあった離れの和室は骨格はそのままに手直しを施して新たな建築の一室として取り込まれました。

リビングに隣接した和室
 リビングから300mm上げた和室は腰を下ろしやすくなっています。障子を開けるとおじいちゃんの手掛けられているりんご畑が視界に広がります。

浴室
 御影石を貼って作成した浴槽には温泉が掛け流しで満たされ、気持ちの良い入浴をすることが出来ます。

主寝室
 三階の木造部分は御夫婦の寝室です。唐松集成材の梁組と間接照明 に浮かび上がった塗り壁が毎日の疲れを癒す優しい空間となっています。

寝室に隣接したシャワー室
 白色に包まれ心地よいシャワーを浴びることが出来ます。

主寝室からの眺望
 芝生とタイルのオープンなデッキは夏には諏訪湖の花火を楽しみ、深い軒の出が日差しを遮り、冬はぽかぽか室内に太陽熱を畜熱します。

写真撮影・写真著作:写真家 林 安直

片倉隆幸建築研究室
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