森に詠う家

 森に詠う家と題したこの住まいは平成7年に竣工したパナホーム サンフォーレの修景である。
住宅会社は個性的としながらも全国のどこにでも同じような家を新築してきた。
景観や地域性といった視点からすれば疑問のあるつくり方だと思っている。

 しかしそこに住まうクライアントにとってはアメリカン・ドリームが現実となる一つの選択として
夢のある生活が営まれてきたはずだ。

プルファブ住宅の面影を残す西外観と森に包まれた住まい
 実は、プレファブは建物が"面"で出来ているため改修が思うようにいかない。
この敷地を初めて訪れた時に周囲の素材を最大限に生かして既存建築の良さを生かしながら再生して改修することにより、敷地全体の木立や東側の森に建築が語りかけ、家族の語らいの場が一層広がりそうな思いを感じた。
 計画では改修前の建築のシルエットはそのままに、東側の森に向かって建築を8坪ほど増築を行い、リビング、ダイニングと子供室を充実するとともに、森に溶け込むテラスとデッキを計画した。

-改修前の住まい-

玄関とウォーク・イン・下足室
 玄関の間取りはそのままに、和室納戸として使えわれていた空間をウォーク・イン・下足室に改修。
ウォーク・イン・下足室への建具はステンドグラスを組み込み設計。ステンドガラス製作は日本装飾美術学校にご協力を頂きました。

リビング
 各所に配されたガラスブロックやステンドガラスは空間を引き締めるとともに、以前は暗かった廊下、玄関周りにやさしく光を広げます。ソファ、テレビボードにはオーディオのスピーカーを組み込み設計。ゆったりホームシアターを楽しめます。ご主人の夢だった暖炉はテレビボードと一体として設計。 今回、暖炉鉄部は森との調和を図りアースカラーの赤錆色塗装を施しました。

ダイニング
 リビングから続くダイニングはキッチンとの対面キッチンとして計画しています。
ダイニングテーブル横のさくら色の壁はイタリアン漆喰のタイル調としてトーンを変えています。

天井の板張り
 天井仕上げは東の森方向へと唐松板を張りあげました。床フローリングも同様に仕上げることで、建築が敷地東側の森へと流れる空間構成としています。

森に開くテラス
 ダイニングから続く開口を開けると森の木立に包まれたテラスが広がります。サッシュはダイニングとテラスがシームレスに繋がるよう全部の間口を開放できる"全開放サッシュ"を採用しています。

キッチン
 シンク部は家族との会話を楽しみつつ洗い物ができる対面に。油汚れが気になるレンジ部は壁で閉じてお掃除を容易になるよう計画しました。また引き出し式の食品庫やキッチン家電収納など各収納家具も設計しています。

木漏れ日の溢れるテラス
 タイルを貼ったテラスにはレンガを積んでバーベキュー炉を設けました。また以前まで使っていたキッチンシンクを再利用し、外流しとしました。丸穴の開いた4つの壁は2階デッキを支持する構造体で、森の木立と呼応するモニュメントとしてもテラスを彩っています。

2階の個室とデッキ
 東側の森に面した個室は既存から3畳分ずつ増床、吹抜けを配した空間として設計しました。また個室より続くデッキを森に向かって計画。通風・採光性のあるファイバーグレーチング(ガラス繊維強化樹脂)製のデッキで1階部分のテラスとともに森を呼び込む空間としています。

写真撮影・写真著作:写真家 林 安直

片倉隆幸建築研究室
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